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【完全ガイド】キッチンカーの内装づくり|費用・レイアウト・保健所対策まで徹底解説!

2025/08/06

キッチンカーの内装はなぜ重要?

キッチンカーの内装は、単なる“見た目”以上に売上・作業効率・衛生・ブランドイメージに直結する重要な要素です。限られた空間をどう活かすかで、事業の成功率は大きく変わります。

売上・作業効率・衛生に直結する内装の役割

キッチンカー内装の最も重要な役割は、スムーズなオペレーションを実現すること。具体的には以下のような効果が期待できます。

  • ❶【注文→調理→提供の流れがスムーズ】
     ➡ 提供スピードが速ければ回転率が上がり、売上UPにつながる
  • ❷【必要な機器・食材にすぐ手が届く配置】
     ➡ ストレスなく作業できることで、品質の安定にも貢献
  • ➌【衛生的に保てる構造・素材の選定】
      保健所検査をクリアしやすく、日々の清掃も楽に

例えば、シンクの位置が使いにくいだけで手洗いが疎かになったり、冷蔵庫が奥にあると在庫確認が遅れたりします。結果としてクレームやロスが増えることもあるため、機能美を意識した内装設計が欠かせません。

おしゃれな内装がブランディングに与える効果

キッチンカーは“動く店舗”。つまり、内装そのものがブランディングツールとして機能します。

  • ◉内装が「映える」=SNSにアップされやすい
  • ◉雰囲気のある内装=来店理由になる(とくに女性や若者)
  • ◉他店との差別化になる=固定ファンの獲得につながる

たとえば、木目調の内装+ドライフラワーでナチュラル系スイーツ店を演出すれば、コンセプトが明確になり、単なる「移動販売」から“世界観のあるお店”として認識されます。

  • 都内の出店では、味と同じくらい「雰囲気で選ばれる」ことが多いため、内装も集客の武器になります。

初期設計で失敗しやすいポイントとは?

初心者が陥りがちな内装トラブルには、以下のようなものがあります。

  • ✖よくある失敗例
  • 保健所基準を理解せずに車両を購入してしまう
     ↳ 排水設備や手洗い場が足りず、許可が下りない
  • 冷蔵庫やシンクの配置が非効率
     ↳ 動線が悪く、1人営業で手が回らない
  • おしゃれ重視で掃除しにくい素材を使う
     ↳ 油汚れが落ちにくく、清潔感が損なわれる
  • 収納が少なく、営業中に在庫切れや探し物が発生
     ↳ ロスが増え、売上を逃すリスク

これらはすべて、“開業前の設計段階で回避できる”ものばかり。失敗しないためには、実際に営業するイメージを持ちながら内装を設計することが重要です。

内装レイアウトの基本と作業効率アップのコツ

キッチンカーは限られた空間で「調理・接客・提供」のすべてをこなすため、レイアウトの最適化が売上や疲労度に直結します。ここでは、効率よく営業できるレイアウト設計のポイントとパターンを紹介します。

スムーズな導線をつくる3つのポイント

キッチンカー内装における「導線」とは、人が作業中に無駄なく移動・動作できる経路や流れのこと。以下の3つを意識するだけで、調理スピードと疲労感は大きく変わります。

  • ❶一方向の流れをつくる(作業の流れに逆らわない)
    例:冷蔵庫 → シンク → 加熱調理台 → 仕上げ台 → 提供口
  • ❷使用頻度の高い設備を“腰〜胸の高さ”に配置
    • 作業中によく使うトッピング・ソース・道具類は、しゃがまずに取れる位置に
    • 無駄な屈伸動作を減らして、疲労もミスも軽減
  • ➌人の動きと収納の開閉が干渉しないようにする
    • 開くタイプの冷蔵庫や引き出しが、動線をふさがないように設計
⌚「毎回の動作を1秒短縮する」が積もることで、1時間で数十人分の効率差が出ます。

キッチンカーでよく使われるレイアウトパターン

調理内容や営業スタイルにより、キッチンカーの内装レイアウトは変わります。以下に代表的なパターンを紹介します。

  • 【パターン1:横並び型(ワイドタイプ)】
    • ‣冷蔵庫・調理機器・シンクなどを1列に並べた配置
    • ‣スイーツ系・軽食系に多く、作業が視認しやすい
    • 短時間の調理に適しており、回転率重視に向く
  • 【パターン2:L字型(作業台を囲うスタイル)】
    • ‣壁沿いにL字型に設備を配置
    • ‣作業動線が短くなり、効率重視のプロ仕様
    • ‣揚げ物や焼き物など複数工程があるメニューに最適
  • 【パターン3:対面カウンター重視型】
    • ‣接客スペースを広めに取り、調理器具は奥に設置
    • ‣提供スタイルが「魅せる演出」型の場合に◎
    • ‣ドリンク系・スイーツ系で“映え”を意識した営業におすすめ

ワンオペ・ツーオペで異なる内装の考え方

営業スタイルによって、レイアウト設計の「優先順位」は変わってきます。

  • ワンオペ(1人営業)の場合
    • ‣動線はとにかく最短化!
    • ‣「片手で取れる配置」「立ち位置固定」で効率重視
    • ‣接客と調理が同時にできる“中央配置型”が理想
  • ツーオペ(2人営業)の場合
    • ‣役割分担を前提としたレイアウト設計
    • ‣一人が調理、もう一人が接客・提供を担当できるようにゾーン分け
    • ‣シンク・提供口を中央に置き、左右で作業を分担できると◎
🚚1人か2人かで「最適なキッチンの形」は大きく変わるため、人員体制を先に決めてから設計するのが鉄則です。

保健所に通るための内装基準と設備条件(東京都例)

キッチンカー営業を始めるうえで、保健所から営業許可を取得することは絶対条件です。とくに東京都では、保健所の内装基準が他地域よりも厳格な傾向があるため、あらかじめ設備・素材・設計に注意する必要があります。

給排水・手洗い・収納などの必須設備

東京都の保健所基準では、以下の「必須設備」が整っていなければ営業許可は下りません。

  • 基本的な設備要件(東京都版)
設備項目 基準・条件内容
給水タンク 40リットル以上の容量(飲用に適した水)
排水タンク 給水タンクより10L以上大きい(=50L以上)が必要
手洗い設備 給湯不要でもOK/専用シンク・ハンドソープ・ペーパー必須
二槽シンク ※食器類を使用する場合は「洗浄槽+消毒槽の2槽」が必要
冷蔵設備 10℃以下での保存が可能な冷蔵庫・ストッカー
食品保管スペース 食材と用具を区分して保管できる清潔な棚・収納
換気扇・網戸 揚げ物・焼き物がある場合は換気扇+虫除け対策が求められる
  • 📝東京都では保健所ごとに多少の解釈差がありますが、上記が基準のベースになります。

東京都保健所の主な内装チェック項目

保健所の実地検査では、以下のような「チェックリスト」に基づいて内装が確認されます。

  • ✅チェックされる主な内装項目
  • 給排水タンクの容量と構造が基準を満たしているか
  • 手洗い器は専用かつ、独立して配置されているか
  • シンク・調理スペースの材質が「不浸透性・清拭可能」であるか
  • 食品・容器類の収納が衛生的か(直置き・混在はNG)
  • 照明や換気が不十分ではないか
  • 保冷・保温管理の体制が整っているか
  • 内装素材にサビ・カビ・傷・汚れがないか
  • 📝検査では「提出図面通りに設置されているか」も細かく確認されます。

検査時に通らないNG例と改善策

営業許可が通らない原因は、意外と初歩的なミスや見落としであることが多いです。

  • ✖よくあるNG例とその対策
NG例 改善策
手洗いシンクが調理用シンクと兼用になっている 専用の手洗い器を独立設置する(※保健所の必須条件)
排水タンクが給水と同容量(例:40L:40L) 排水は給水より10L以上多くする(例:40L:50L)
木製の棚や台をそのまま使用 ステンレス製や防水コーティングされた素材に変更
食品と洗剤・清掃用具が同じ場所に保管 収納場所を完全に分けてラベリング管理を徹底する
網戸なしでドアを開け放し 虫の侵入防止策(網戸・カーテン・密閉)を施す
  • 保健所検査は1回で通ることが理想。事前に設計図と写真を持って保健所に相談すると、未然にNGを防げます。
🔍まとめ
  • 東京都の保健所は設備基準・衛生管理への意識が高い
  • 特に「手洗い器の独立性」「給排水容量」「材質の清潔さ」は落とされやすい
  • 設備工事の前に保健所へ事前相談→図面提出が成功の近道!
  •  

内装費用の相場とコストを抑える工夫

キッチンカー内装の費用は、設備内容・車両の状態・業種・自作or外注かによって大きく変わります。この章では、コスト相場と節約の工夫を具体的に解説します。

内装工事・設備購入の平均価格帯(中古/新品別)

キッチンカーの内装費用は、車両代と合わせて総額150万〜350万円程度が一般的です。内訳の目安は以下の通りです。

  • 内装にかかる主な費用内訳(目安)
項目 中古ベースの費用感 新品ベースの費用感
給排水・シンク設置 約5万〜10万円 約10万〜20万円
調理機器(冷蔵庫、IH等) 約10万〜20万円 約20万〜40万円
内装仕上げ・断熱・棚 約10万〜15万円 約20万〜30万円
電気・照明・換気設備 約5万〜10万円 約10万〜15万円
合計 約30万〜60万円 約60万〜100万円以上
  • 💡「中古キッチンカー」+「一部DIY」の組み合わせで、100万円以内に抑える例も増えています。

DIY vs 業者依頼のメリット・デメリット

費用を抑えたい人にとって、内装DIYは魅力的な選択肢ですが、保健所基準とのバランスを考える必要があります。

  • DIYのメリット・デメリット
メリット デメリット
費用を大幅に節約できる(業者の半額以下も可) 設備設置や保健所基準の解釈を自力で調べる必要あり
自分好みの内装・デザインが反映できる 作業時間・工具・知識がないと難航することも
保守・修理も自分で対応しやすくなる 万が一施工ミスがあると営業許可が下りない可能性
  • 業者依頼のメリット・デメリット
メリット デメリット
保健所基準に沿った設計でスムーズに許可が取れる コストは高め(+30万〜50万円が一般的)
プロのノウハウで作業効率の良いレイアウトに 納期・打ち合わせの手間がかかる
  • 💡初めての方は「DIY+一部のみ業者(給排水まわりなど)」というハイブリッド型が費用と安心のバランスが良いです。

中古キッチンカー購入時の内装チェックポイント

中古車を購入する際には、「価格の安さ」だけで選ぶと後悔するケースも少なくありません。以下のチェックポイントを意識して、内装トラブルを防ぎましょう。

  • ✅チェックポイント一覧
  • シンク・給排水設備が保健所基準に合っているか
  • 冷蔵庫やIHなどの電源容量(100V/200V)と配線状態
  • 棚や作業台の高さ・奥行きが実務に合っているか
  • 断熱材・換気扇が設置されているか(夏場対策)
  • 清掃しやすい材質か(ベニヤ板むき出しはNG)
  • 中古ゆえの「サビ・腐食・臭い」の有無を確認
  • 💡特に保健所の要件に合っていないと再工事が必要になり、結果的に高くつくことも。購入前に図面や設備一覧をもらい、保健所に事前相談するのがベストです。
🔍まとめ
  • 内装費用の相場は中古ベースで30万〜60万、新品で60万〜100万超
  • DIYで節約可能だが、保健所基準を最優先に
  • 中古キッチンカーは見た目だけでなく“設備内容と状態”が最重要
  •  

おしゃれで清潔感のある内装デザイン事例

キッチンカーは“移動式店舗”であると同時に、第一印象で選ばれるブランド空間でもあります。ただし、見た目にこだわるだけではなく、清潔感・衛生管理・実用性のバランスがとれた内装設計が求められます。

業種別(スイーツ/カレー/ドリンクなど)の内装例

提供するメニューによって、最適な内装のテイストや配置も変わります。以下に代表的な業種別の事例を紹介します。

🍰🍪スイーツ系(クレープ・焼き菓子など)

‣可愛らしさ・温かみのあるデザインが人気

‣木目調カウンター・パステルカラー・手描き風黒板など

‣写真映え+SNS投稿されやすさ重視

🍛🍗カレー・がっつり系

‣清潔感と無骨な実用性の両立がポイント

‣ステンレス製の作業台+落ち着いたカラー(黒・カーキなど)

‣ニオイ対策の換気と防油加工も内装設計に含める

☕🍹ドリンク系(コーヒー・スムージーなど)

‣スタイリッシュ or ナチュラル系が好まれる

‣コーヒー無垢材+アンティーク調、スムージーなら白系+グリーン装飾など

‣見せる収納や機材配置で“バリスタ感”を演出

📝どの業種でも「テーマカラー×素材統一」で内装に一貫性を持たせるのがブランディングの基本です。

「映える」けど掃除しやすい素材・カラーの選び方

おしゃれな内装にしたい場合でも、日々の清掃やメンテナンス性は見逃せないポイントです。

◎おすすめ素材

パーツ おすすめ素材 理由
作業台・棚 ステンレス/メラミン化粧板 耐水・耐熱・油汚れが落としやすい
壁面 防水パネル/塩ビクロス/アルミ複合板 拭き掃除がしやすく、劣化しにくい
防滑クッションフロア/アルミ床材

衛生的&水・油に強く、見た目も整いやすい

💡色の選び方ポイント

‣白・アイボリー系:清潔感◎/汚れが目立ちやすいが頻繁な清掃促進に

‣木目系:温かみとナチュラル感が出るが、防汚処理が必須

‣黒・グレー系:ホコリや水垢がやや目立ちやすい

  • 📝“映え”を狙いすぎると営業後の掃除が大変になり、衛生レベルの低下にもつながりかねません。見た目とメンテナンス性のバランスをとることがプロの選択です。

差別化につながる内装ブランディングの工夫

キッチンカーは街中に出店する以上、見た目で「記憶される」「撮られる」ことがブランディングに直結します。

💡差別化ポイント

❶コンセプトに合った内装ストーリー

 ➡例:北海道食材×木造調=“牧場感”演出/アジアン料理×竹素材=“屋台感”アップ

❷内装とメニュー名・看板の統一感

 ➡ 名前や世界観に統一性があると、記憶されやすい

➌内装の一部に「撮影スポット」要素を加える

 ➡ ロゴ入りカップ・オリジナルカウンターサイン・照明演出など

📝競合が多い都市部では、味や価格以上に“記憶に残る印象”が勝敗を分ける場面もあります。一貫性のある内装は、その印象形成を大きく左右する武器です。

🔍まとめ
  • 業種により「魅せる内装」の方向性が異なる(例:可愛さ/清潔感/重厚感)
  • 映え重視でも“掃除しやすい素材と設計”を忘れずに
  • 差別化のカギは、コンセプトと空間演出の統一性

まとめ|内装づくりは「保健所・動線・印象」がカギ

キッチンカーの内装は、単に見た目を整えるだけでなく、保健所の許可を得て、効率よく営業し、選ばれる店になるための“戦略的要素”です。この章では、初心者が押さえるべき内装の総まとめを解説します。

内装設計でやってはいけない3つのミス

キッチンカー内装で多くの人が陥りがちな“失敗パターン”を避けるだけでも、開業リスクを大きく減らせます。

ミス①:保健所基準を満たしていない設計

  • ‣手洗い器がない/排水タンク容量が不足しているなど
  • ‣設計後にやり直しが必要となり、工事の二度手間+コスト増につながる
  • ミス②:動線や収納が非効率で、営業中に混乱

    • ‣必要な道具がすぐ取り出せない/複数人で作業しにくい配置
    • ‣結果、回転率が落ちて売上も減少
    • ミス③:おしゃれ重視で清掃や実用性が犠牲に

      • ‣白い布地や木材で汚れやすく、日々のメンテナンスが困難に
      • ‣最終的に清潔感が損なわれてリピートが減少

初心者でも失敗しないための内装準備チェックリスト

これから設計・工事を進める方向けに、「これだけは確認しておきたい!」というポイントをチェックリスト形式でまとめました。

内装準備チェックリスト

保健所の内装基準(給排水・手洗い・シンクなど)を確認した

□調理・接客・収納の動線を図面上でシミュレーションした

□使用予定メニューに必要な機器をリストアップ済み

□収納の量と位置は、作業性+衛生面で問題ないか

□素材は防汚性・耐久性に優れ、掃除しやすいものか

□スタイルやブランドイメージと内装が一貫しているか

□保健所に図面と写真を持って事前相談した

🚚上記すべてにチェックが入れば、保健所も集客もクリアできる“実力派内装”が実現可能です!

実店舗と同じくらい「内装」が成否を分ける理由

キッチンカーは「狭いからこそ」一目で“選ばれるかどうか”が決まる商売です。

◉通りすがりの数秒で「清潔感」「コンセプト」「安心感」が伝わるか

◉SNSで拡散される“ビジュアル的な魅力”を持っているか

◉見た目以上に作業効率・衛生管理が快適に保てるか

実店舗と違い、内装が売上・リピート・許可取得のすべてに直結します。だからこそ、キッチンカー開業を成功させるカギは「内装」だと言えるのです。

🔚まとめ:キッチンカー内装3つの柱

観点 要点
保健所 設備基準・衛生動線・素材に準拠することが前提
動線効率 調理・提供・接客すべてをストレスなく行える設計
印象づけ 世界観・コンセプト・清潔感で“記憶に残る店”を演出