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【初心者向け】キッチンカー寸法の基本|車両タイプ別サイズと営業許可に必要な基準

2025/10/03

1. キッチンカーの寸法が重要な理由

キッチンカーを選ぶとき、デザインや価格に目が行きがちですが、実は「寸法(サイズ)」が成功の分かれ道です。
外寸・内寸のわずかな違いが、作業効率や営業許可、さらには出店の可否まで大きく左右します。
ここでは、寸法が重要な理由を3つに分けて解説します。

作業効率とメニュー展開に直結する

キッチンカーの内寸は、「どのメニューが出せるか」「何人でオペレーションできるか」 を決める要素です。

  • 🚚軽トラタイプ(内寸が狭い) ➡ コーヒー・軽食・スイーツ向き
  • 🚛1.5tトラックタイプ(内寸が広い) ➡ ピザ窯やフライヤーを搭載可能

👉 寸法が小さすぎると、調理器具が入らずメニューを制限せざるを得なくなります。
逆に広すぎると、初期費用や維持費が高くなるため、やりたいメニューと寸法のバランスが必要です。

営業許可(保健所基準)を満たすために必要

キッチンカーは「見た目が良ければ営業できる」わけではなく、保健所の営業許可基準を満たす寸法設計が必須です。

  • 🔵シンクは2槽以上(東京都の場合)
  • 🔵給水タンク40L以上・排水タンク50L以上
  • 🔵作業スペースに冷蔵庫や保冷庫を設置できるだけの寸法

👉 寸法が狭すぎると、シンクや冷蔵庫が置けず営業許可が取れないケースもあります。
つまり「寸法を確保=営業できる条件を満たす」ことにつながります。

出店場所・駐車場の制限にも影響する

キッチンカーの寸法は、出店可能な場所や駐車スペースにも直結します。

  • 高さ制限 ➡ 立体駐車場やイベント会場のゲートに入れない場合がある
  • 幅・全長 ➡ 商業施設やマルシェでは「軽トラサイズのみ可」と制限されることも
  • 運転面  ➡ 大型トラックタイプは小さな道や住宅街では不便

👉 「小回りの効く軽トラ」か「大容量のトラック」かで出店先の幅が大きく変わります。
開業前に、想定する出店場所に入れる寸法かどうかを必ず確認しましょう。

✅ ポイントまとめ

  • ‣ 寸法はメニューの幅・作業効率に直結する
  • ‣ 営業許可の基準を満たすために十分な寸法が必要
  • ‣ 出店場所や駐車スペースに入れるかどうかも重要

2. 車両タイプ別の寸法目安

キッチンカーと一口に言っても、ベースとなる車両の種類によって寸法は大きく異なります。
ここでは、代表的な3タイプ(軽トラック・バン・1.5tトラック)に分けて、それぞれの寸法と特徴を紹介します。

軽トラックタイプ(全長・幅・高さの標準)

軽トラをベースにしたキッチンカーは、初心者に最も人気のあるタイプです。

  • 全長:3.4〜3.6m
  • 幅 :1.5〜1.6m
  • 高さ:2.3〜2.5m(改造後)
  • 内寸:幅1.4m × 奥行1.9m × 高さ1.8m程度

👉 狭いスペースにも駐車でき、小回りが効くのが最大のメリット。
ただし、作業スペースは限られるため、コーヒー・ドリンク・軽食・スイーツ向きです。

バンタイプ(軽バン・ハイエース系)の寸法

バンをベースにしたキッチンカーは、移動販売+通常走行のしやすさを兼ね備えています。

🚚軽バン(エブリイ・アトレーなど)

  • 全長:3.4〜3.7m
  • 幅 :1.5〜1.6m
  • 高さ:1.9〜2.0m
  • 内寸は軽トラより狭め(作業効率に制限あり)

🚚ハイエース・キャラバン系

  • 全長:4.6〜5.0m
  • 幅 :1.7〜1.8m
  • 高さ:2.1〜2.3m
  • 内寸は広めで、ドリンク+軽食、簡単な調理系にも対応可能

👉 バンタイプは「走行性能重視+コンパクト営業」に向いています。

1.5tトラック・大型車両の寸法と特徴

本格的に料理を提供したい場合は、1.5tトラック以上の車両が選ばれることもあります。

  • 全長:4.7〜5.5m
  • 幅 :1.8〜2.0m
  • 高さ:2.5〜3.0m
  • 内寸:幅1.8m × 奥行3.0m × 高さ2.0m程度

特徴:

  • ↳ 石窯ピザ・フライヤー・カレーなど大規模調理が可能
  • ↳ 内装に余裕があり、2〜3名でのオペレーションにも対応
  • ↳ 初期費用・維持費は高く、運転や出店制限も増える

👉 「イベント特化」「本格調理」なら大型トラックタイプが有利ですが、固定費が高いため収支バランスに注意が必要です。

✅ ポイントまとめ

  • ‣ 軽トラタイプ:安価・小回り◎、軽食やスイーツ向き
  • ‣ バンタイプ:走行性◎、軽食やドリンク+αに最適
  • ‣ 1.5tトラック以上:本格調理◎、イベントで強いがコスト高

3. 内寸法と作業スペースの考え方

キッチンカーは「外寸」だけでなく、実際に調理する内寸(作業スペース)が重要です。
立って作業できるか、調理機材が設置できるか、オペレーション人数に対応できるかが、営業のしやすさを大きく左右します。

立って作業できる高さの基準

  • ・最低でも1.8m前後の高さがあれば、大人でも立って作業可能。
  • ・軽トラ改造型では天井が低く、かがみながら作業するストレスが発生することも。
  • ・ハイエース系や1.5tトラック型なら、2.0m前後の高さを確保できるため、快適に作業可能。

👉 長時間営業するなら「立って作業できる高さ」は必須条件と考えましょう。

調理機材やシンク設置に必要な幅・奥行き

営業許可を得るには、シンクや給排水タンクなどの設置スペースが必要です。

  • ・シンク2槽分の横幅:最低60〜70cm
  • ・調理機材(フライヤー・オーブンなど):奥行50〜70cm程度
  • ・通路幅:最低60cm以上(オペレーションのしやすさに直結)

👉 内寸が狭いと、機材を入れてしまった時点で作業スペースがほぼゼロになることも。
「必要な機材サイズ+通路幅」を事前にシミュレーションしておきましょう。

ワンオペ/ツーオペで変わる最適レイアウト

◉ワンオペ営業(1人)

  • ↳ 最低限の幅と通路(50〜60cm)でOK
  • ↳ 機材は片側にまとめ、動線を短くする

◉ツーオペ営業(2人)

  • ↳ 通路幅は最低70〜80cm欲しい
  • ↳ 調理担当と提供担当でゾーンを分ける
  • ↳ 調理台・シンク・冷蔵庫の配置を工夫することで効率化

👉 内寸が広ければ2人以上で効率良く回せますが、狭いとオペレーションが重なり提供スピードが落ちる原因になります。

✅ ポイントまとめ

  • ‣ 内寸の高さは1.8m以上が快適ライン
  • ‣ 機材+シンク+通路幅を確保しないと営業許可が下りない
  • ‣ ワンオペならコンパクト、ツーオペなら通路幅広めが必須

4. 営業許可に通るための寸法・設備基準

キッチンカーの寸法は「営業許可が取れるかどうか」に直結します。
外見や内装の見栄えよりも、まずは保健所の基準を満たす寸法設計を押さえることが必須です。
ここでは、東京都の基準を例に解説します。

シンクの数と給排水タンク容量(東京都例)

東京都の移動販売における営業許可基準では、以下が必須条件とされています。

  • ①シンクは2槽以上設置(洗浄用・すすぎ用)
  • ②シンク1槽あたりのサイズ:20cm × 20cm × 15cm以上
  • ③給水タンク容量:40L以上
  • ④排水タンク容量:50L以上

👉 これらを設置するためには、最低でも 横幅60〜70cm、奥行40〜50cm程度 のスペースが必要です。
寸法が小さい車両では、この基準を満たせないこともあるため注意が必要です。

冷蔵庫・保冷庫を置くために必要なスペース

食材の衛生管理を保つため、冷蔵設備の設置は必須とされています。

  • ・小型冷蔵庫(50〜100L程度) ➡ 幅50cm × 奥行50cm × 高さ80cm前後
  • ・保冷庫・クーラーボックス      ➡ 幅40〜60cm程度

👉 このスペースを確保するには、内寸幅1.5m前後+通路幅60cm以上 が理想です。
狭すぎると冷蔵庫を入れた時点で作業動線が確保できず、営業許可が下りないケースもあります。

内装材や通路幅などチェックされるポイント

保健所の検査では、寸法そのものよりも「設備が基準を満たして収まっているか」が重視されます。

  • 内装材:耐水性・清掃性がある素材(ステンレス・FRPなど)
  • 通路幅:最低でも50〜60cmは必要
  • 換気:調理機材を置く場合は換気扇や通気口を設ける
  • 照明:作業に十分な明るさ(通常はLEDなどで対応)

👉 「狭すぎて基準を満たせない」「機材で通路がふさがる」などの理由で不許可になる例も少なくありません。

✅ ポイントまとめ

  • ‣ 東京都例では シンク2槽・給水40L・排水50L が必須
  • ‣ 冷蔵庫を置くには内寸幅1.5m前後+通路幅60cm以上が理想
  • ‣ 内装材・通路幅・換気・照明など細かい基準もチェックされる

5. 寸法選びの注意点と実用アドバイス

キッチンカーの寸法は「営業許可さえ取れればOK」ではありません。
実際に営業してみると、駐車・オペレーション・メニュー拡張など、後から困るケースが多いです。
ここでは、寸法選びで失敗しないための注意点と実用的なアドバイスを
まとめます。

高さ制限(駐車場・道路)に注意

    • キッチンカーは改造後の高さが2.5〜3.0m前後になることも多いです。
  • 🔴一般的な立体駐車場の高さ制限は 2.1m前後。
  •  ↳高さ制限のある商業施設や会場ゲートでは、車両が入れないトラブルが発生します。

👉 出店予定地や普段停める駐車場の高さ制限を、必ず事前に確認しましょう。

狭すぎる内装が生むオペレーションの問題

  • 🔴通路幅が50cm未満 ➡ ワンオペは可能でもツーオペは厳しい
  • 🔴調理台やシンクを詰め込みすぎる ➡ 動線が塞がり効率ダウン
  • 🔴機材を置いたら作業スペースがゼロになる ➡ 提供スピード低下 ➡ 行列離脱の原因

👉 寸法が小さいと、営業できても「効率が悪く利益が残らない」状態になりがちです。
短時間で大量提供が必要なイベント出店を考えるなら、余裕のある寸法選びが必須です。

将来のメニュー拡張を見据えた寸法選び

  • 🌟開業時はドリンクのみ ➡ 将来は軽食や揚げ物も追加したい
  • 🌟最初は1人営業 ➡ ゆくゆくはアルバイトを雇って2人体制にしたい

👉 このように事業を成長させるなら、初期から広めの寸法を選んでおくのがベストです。
改造後に寸法を広げるのは難しく、結果的に「車両の買い替え」が必要になる場合もあります。

✅ ポイントまとめ

  • ‣ 出店場所や駐車場の高さ制限を必ず確認
  • ‣ 狭すぎるとオペレーション効率が下がり、利益が減る
  • ‣ 将来のメニュー拡張・人員増も見据えて寸法を選ぶのが安心

6. まとめ|自分のメニューと運営スタイルに合った寸法を選ぼう

キッチンカー経営において「寸法」は、思っている以上に重要な要素です。
単なる車両サイズではなく、営業許可・作業効率・出店可能な場所・将来の拡張性すべてに直結します。
最後に、寸法選びで押さえておきたいポイントを整理しておきましょう。

初心者が選びやすい寸法タイプとは?

  • 💡初めての人におすすめなのは、軽トラタイプやハイエース系のバンタイプ
  •  ↳出店場所の自由度が高く、初期費用や維持費も抑えやすい。
  •  ↳ドリンク・スイーツなどコンパクトメニューから始める場合に最適。

👉 本格調理やイベント特化を狙うなら、1.5tトラック以上の広い寸法が必要ですが、初心者はまず「小回りの効くタイプ」から始めるのが安心です。

寸法と許可基準を同時に確認する重要性

  • ✅営業許可に必要な シンク・給排水タンク・冷蔵庫 が収まるかどうか
  • ✅出店先や駐車場の 高さ・幅制限 をクリアできるか
  • ✅1人 or 2人営業で必要な 通路幅 を確保できるか

👉 寸法と許可基準を別々に考えるのではなく、「同時にクリアできる車両か」を確認してから選ぶことが成功への近道です。

寸法チェックリスト(車両選び前に確認すべきこと)

  • ▢車両の全長・幅・高さは出店予定地に入れるサイズか?
  • ▢内寸の高さは「立って作業できる基準(1.8m以上)」を満たしているか?
  • ▢シンク2槽+給排水タンク(40L以上/50L以上)が設置できるか?
  • ▢冷蔵庫や機材を入れた後も通路幅50〜60cm以上が確保できるか?
  • ▢将来のメニュー拡張やツーオペに対応できる広さがあるか?

👉 このチェックリストをクリアしていれば、「許可が取れない」「狭くて営業できない」といった失敗を避けられます。

✅ 最終まとめ

  • ‣ 初心者は「軽トラ・バンタイプ」が扱いやすい
  • ‣ 寸法は 営業許可・出店可能場所・作業効率 すべてに直結する
  • ‣ 車両を選ぶ前に、寸法チェックリストで確認しておくことが成功のカギ

🚚💡 寸法を正しく理解し、自分のメニューと運営スタイルに合ったキッチンカーを選べば、開業後の失敗リスクを大幅に減らせます。

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